季節の病気 2022年6月「プール熱とはやり目」

咽頭結膜熱(プール熱)と流行性角結膜炎(はやり目)は、アデノウイルスの感染を原因とします。
アデノウイルスには多くの型が存在しますが、咽頭結膜熱は主に3型、流行性角結膜炎は8型、19型、37型および53型、54型、56型等の新型によるといわれています。
アデノウイルスはエンベローブというウイルスを覆う外膜がないノンエンベローブタイプに分類され、多くの消毒剤に対して高い抵抗性をもっています。消毒には、次亜塩素酸ナトリウムが有効とされています。

① 咽頭結膜熱(プール熱)

【症状】5~7日の潜伏期間を経て、目の充血、せき、のどの痛み、クループ(声帯やのどに感染し、気道の粘膜が腫れる病気)、発熱などの症状を呈します。
重症化すると、気管支炎や肺炎などが起きる場合もあります。

【感染経路】年間を通して発生しますが、主に6月末頃から感染が増え始め、7~8月がピークとなります。
咳やくしゃみなどの飛沫感染の他、タオルの共用や手指を介した接触感染もあります。
またプールを通じて感染することが多いので、プール熱とも呼ばれています。

【治療】アデノウイルスを除去する薬はありませんので、対症療法になります。
のどの痛みや腫れには消炎鎮痛薬、うがい薬などを、せきには鎮咳去痰薬を、目やにや目の充血には抗菌成分や抗炎症成分を配合した点眼薬などを、目のかゆみには、抗ヒスタミン成分や抗炎症成分を配合した点眼薬などを使用することがあります。

【予防】流行時には、流水と石けんでの手洗い、うがいをすること、感染者との密接な接触は避けること(タオルなどは別に使う)、プールからあがったときはシャワーを浴び、うがいをすることなどが挙げられます。

【感染症法上の取り扱い】学校保健安全法施行規則第18条の学校感染症第三種に指定され、医師が伝染の恐れがないと認めるまで登校禁止となります。

 

②流行性角結膜炎(はやり目)

【症状】流行性角結膜炎(はやり目)は、アデノウイルスの感染による目の病気で、8~14日の潜伏期の後、目の充血、涙、目やに、まぶしさを感じるなどの症状を呈します。
耳の前のリンパ節の腫れや痛みを伴うこともあります。
子どもの場合は、熱が出ることがあります。

【感染経路】主に手を介した接触により感染します。
ウイルスに汚染されたタオルなどに触れることによっても感染します。
保育所や幼稚園、学校など、人が密に接触する場所での集団発生がみられます。
特に夏に多く、1~5歳を中心とする小児に多いとされていますが、成人も含めて幅広い年齢に見られます。

【治療】アデノウイルスを除去する薬はありませんので、対症療法になります。
抗炎症成分を配合した点眼薬や、他の細菌による感染を予防するために、抗菌成分を配合した点眼薬を使用することがあります。

【予防】基本的には、咽頭結膜熱と同様の予防策をとります。
加えて、むやみに手で目をこすらないようにしましょう。
プールから上がったときは、よく目を洗いましょう。

【感染症法上の取り扱い】学校保健安全法施行規則第18条の学校感染症第二種に指定され、主要症状が消失した後2日を経過するまで登校禁止となります。
ただし、病状により伝染の恐れがないと医師が認めたときはこの限りではありません。

参考文献
国立感染症研究所ホームページ『感染症情報』