季節の病気 2022年1月 「かぜ症候群」

かぜ症候群とは、病原体となるウイルスや細菌が鼻や喉に感染し、急性の炎症を引き起こす疾患です。
主な症状としては、のどの痛み、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、咳、たん、悪寒、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などがあります。
予後は良好で2〜5日程度で自然に治ります。
主な感染経路としては、感染者の咳やくしゃみによる飛沫を吸い込む飛沫感染と、飛沫が付着したモノに触れた手で鼻や口を触ることなどによる接触感染の2つがあります。
かぜ症候群の原因となるウイルスは200種類以上あるといわれています。
主な原因となる病原体を次に示します。

ライノウイルス

ライノウイルスは、いわゆる「鼻かぜ」の原因となるウイルスです。
かぜ症候群の中で最も頻度の高い(30〜50%)ウイルスです。
一年中見られますが、特に春と秋に多く見られるといわれます。
通常は予後良好ですが、乳幼児や高齢者、気管支喘息患者などの基礎疾患をもつ人などは重症化する場合があります。

コロナウイルス

ヒトに感染するコロナウイルスは7種類あります。
このうち重症肺炎ウイルス2種類(SARSとMERS)と、新型コロナウイルスを除いた、従来からの4種類がいわゆる風邪のコロナウイルスです。
風邪の10~15%(流行期は35%)はこれらのコロナウイルスの感染が原因となります。
冬に流行のピークが見られ、ほとんどの子供が6歳までに感染を経験し、その後も生涯で何度も感染します。

RSウイルス

RSウイルスに感染した場合の主な症状は、発熱、鼻水、咳などです。通常は数日から1週間くらいで回復しますが、初めて感染し発症した場合は重症化しやすく、生後数カ月以内の初感染では気管支炎や肺炎を引き起こすことがあります。
生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ全ての小児が感染するといわれています。
以前は、感染のピークは冬に見られ、夏は少ない傾向にありましたが、2011年以降は夏頃から増加の傾向がみられています。
2020年は新型コロナウイルスの影響のためか、ほとんど流行しませんでしたが2021年は5月頃から増加し、7月にピークを迎え、その後減少に転じています。

パラインフルエンザウイルス

パラインフルエンザウイルスはインフルエンザウイルスとは全く異なります。
ウイルスの分類上はRSウイルスや麻疹ウイルスに近いものです。上気道(鼻やのど)から下気道(気管支、肺)に感染します。
4種類の型があり、1型および2型は秋から冬にかけて流行する傾向にあり、それぞれの血清型が2年毎に交互に現れるという特徴があります。
これらの型は、主に乳児にみられるクループ症候群(喉頭気管気管支炎)という疾患の原因となります。
初期は風邪のような症状を呈し、その後、発熱や特徴的な咳(犬が吠えるような、またはオットセイが鳴くような)、声がれなどの症状が現れます。
重症化すると、上気道が閉塞し、呼吸不全となり、死に至る場合もあります。
3型は感染力が強く、1歳までに半数以上が、3歳までにほぼ全ての小児が感染するといわれています。
毎年年間を通して発生しますが、春から初夏にかけてピークが見られます。肺炎や細気管支炎を起こすことがあるといわれています。
4型は、無症状か軽症で済むことが多いといわれています。

参考資料

厚生労働省ホームページ「感染症情報」