季節の病気 2021年11月「喘息」

気管支喘息

この時期に多い疾患として、気管支喘息があります。
秋になると空気が乾燥し、また日中の温度変化が激しく、自律神経が乱れやすいことなどから、症状が悪化しやすくなるのです。

喘息の原因

喘息の原因としては、個体因子や環境因子、その他日常生活に起因するものなどがあります。
【個体因子】
(遺伝)両親が喘息の場合、子どもの発症リスクは3~5倍程度高くなります。
(アトピー素因)ⅠgE抗体を作りやすい体質の人は発症リスクが高くなります。
(性差)小児では女児よりも男児に、成人では男性よりも女性に多く発症しています。
(肥満度)BMIが高いと発症リスクが高くなります。
【環境因子】
(アレルゲン)ダニ、ハウスダスト、ペットの毛、花粉、カビなど。
(アレルゲン以外)食物、タバコ、感染症、大気汚染、天気や気圧の変化などがあります。
【その他】
(薬剤)解熱鎮痛剤などの服用によって、喘息の症状が現れる場合がありあります。
(過労、ストレス)ストレスを受けると、コルチゾールが分泌されて炎症が引き起こされます。
それによって喘息の症状が悪化します。
(運動)激しい運動は、気道粘膜の脱水や大気汚染物質の吸入を招くため、症状が悪化しやすくなります。

喘息のメカニズム

ダニ、ハウスダストなどのアレルゲンが体内に侵入すると、樹状細胞がアレルゲンを捉えて異物として認識し、その情報をヘルパーT細胞に伝達します。ヘルパーT細胞は、B細胞を活性化させ、B細胞はIgE抗体を放出します。
IgE抗体は肥満細胞の表面に結合します。再びアレルゲンが侵入して、IgE抗体に結合すると感作が成立します。
すると肥満細胞が活性化し、ヒスタミンやロイコトリエンなどの炎症性メディエーターが放出されます。
その後気道に炎症が起こり、気管支が収縮し、咳が誘発されます。
炎症が慢性化すると、リモデリングといって不可逆的になります。

喘息を改善するために

喘息を改善するためには、腸内環境を正常化することが必要です。
過食や偏食により腸に腐敗物質が蓄積すると、腸管の蠕動運動が活発になります。
蠕動運動では副交感神経が優位に働いていおり、副交感神経は気管支平滑筋を収縮させるので、喘息の症状が悪化しやすくなります。

喘息を悪化させやすい食生活

偏食は喘息を悪化させる要因となります。
(肉類過多タイプ)肉類はタンパク質や脂質を多く含んでおり、これらが過剰になると、未消化の残りかすをエサとする悪玉菌が増加して腸内環境を悪化させます。
すると先に述べたようなメカニズムで喘息の症状が起こりやすくなります。
(糖質過多タイプ)糖質過多は血糖値の急上昇を招きやすく、今度はインスリンの分泌により急激に下がります。
すると血糖値を下げるために副腎からコルチゾールが分泌されます。
分泌が長く続くと副腎が疲弊し、やがてコルチゾールが枯渇します。
この状態を副腎疲労症候群といい、うつ病やアトピーの他、気管支喘息も誘発します。
(野菜不足タイプ)野菜にはフラボノイドや食物繊維が多く含まれています。
フラボノイドには抗アレルギー作用があり、食物繊維は腸内細菌の善玉のエサとなるので、いずれも喘息の症状を和らげます。
ですから野菜不足は喘息が悪化しやすくなります。

参考文献
独立行政法人環境再生保全機構 ホームページ
久保裕(2005)『ぜんそくもアトピーも』(株式会社ニュートンプレス)
溝口徹(2013)『アレルギーは「砂糖」をやめればよくなる!』(青春出版社)