陰陽五行と健康 No.4 「五臓の病理」

五臓の働きで説明した「五臓を巡る気」とは、気・血・津液であるといえます。
陰陽説において、狭義の気は陽の気、血・津液は陰の気であると考えられています。
五臓のどこかに気・血・津液が不足したり滞ると、その「臓」が司る生理系統に症状が現れます。

 

五臓の病理は、次のように分類できます。

【肝の病理】

肝血虚 全身の血が不足した状態です。主な症状として、眼精疲労、視力低下、めまい、立ちくらみ、爪の変形、肌荒れ、抜け毛、筋肉痛、筋肉のけいれん、生理不順などがあります。
肝陰虚 肝の血と津液が不足し、熱性が増した状態です。主な症状として、手足のほてり、寝汗、口渇、ドライアイなどがあります。
肝気鬱血 肝の機能が失調し、気や血の流れが滞った状態です。主な症状として、イライラ感、気分の落込、過度な緊張、喉のつまり感、胸苦しさ、腹部膨満感、生理不順、生理痛などがあります。

【心の病理】

心気虚 心の気が不足した状態です。主な症状として、動悸、息切れ、不整脈、胸苦しさ、発汗過多などがあります。
心陽虚 心気虚が進行し、体を温める作用が低下した状態です。主な症状として、心気虚の症状に加えて、手足の冷え、頻尿などがあります。
心血虚 心の血が不足した状態です。主な症状として、入眠障害、浅眠、多夢、不安感などがあります。
心陰虚 心の血と津液が不足し、熱性が増した状態です。主な症状として、心血虚の症状に加えて、のぼせ感、手のひらや足の裏の熱感、口渇、口内炎などがあります。

【脾の病理】

脾気虚 脾の気が不足した状態です。主な症状として、食欲不振、腹部膨満、下痢、便秘、疲労感、手足の重だるさ、体重減少などがあります。
脾陽虚 脾気虚が進行し、体を温める作用が低下した状態です。主な症状として、脾気虚の症状に加えて、腹部の冷え、腹痛、下痢、むくみ、頻尿などがあります。
脾陰虚 脾の血や津液が不足し、熱性が増した状態です。主な症状として、口渇、唇の乾燥、手足のほてり、微熱、食欲不振、腹部膨満などがあります。

【肺の病理】

肺気虚 肺の気が不足した状態です。主な症状として、咳、水様痰、息切れ、疲労感、発汗、風邪を引きやすいなどがあります。
肺陽虚 肺気虚が進行し、体を温める作用が低下した状態です。主な症状として、肺気虚の症状に加えて、手足の冷え、むくみ、頻尿などがあります。
肺陰虚 肺の血や津液が不足し、熱性が増した状態です。主な症状として、空咳、粘痰、しわがれ声、喉や口の乾燥、手足のほてり、寝汗などがあります。

【腎の病理】

腎気虚 腎の気が不足した状態です。主な症状として、疲労感、腰痛、腰重、頻尿、記憶力低下、視覚・聴覚低下、精力・性欲低下、白髪、抜毛、早期閉経、不妊などがあります。
腎陽虚 腎気虚が進行し、体を温める作用が低下した状態です。腎気虚の症状に加えて、足腰の冷え、頻尿、軟便などがあります。
腎陰虚 腎の血や津液が不足し、熱性が増した状態です。主な症状として、手足のほてり、口渇、寝汗などがあります。